もう年末・・・
色んなところでお節の予約のパンフレットが目につきますね。
そうか・・・早いな~暮れも目の前!今年は何から作ろうかな?・・・
なんて、お正月のお節料理のレシピが頭の中でチラチラとしていませんか?
福岡のお正月、お祝いの席に欠かせないお料理が「がめ煮」(筑前煮)なのですが…
この2つの違いっていったいなんなんでしょう?
目次
筑前煮とがめ煮の違いって?
えっ?がめ煮?・・・筑前煮とは違うの?・・・。
よく、若い人たちから、がめ煮と筑前煮の違いを聞かれるんですよね。
見た目は同じように見える料理なので、確かに違いがよくわかりません。
私も今だに「あれ?どっちがどっちかしら?」とわからなくなるんです(笑)
私も、お嫁入りする前は「筑前煮」ではなく「がめ煮」がメインだったんです。
でも、博多にお嫁入りをしたら、お義母さんから「筑前煮を作って」と言われて戸惑った記憶があるんですね。
がめ煮と筑前煮の由来
「筑前煮」と「がめ煮」。
どちらも「鶏肉とお野菜を使った煮物」のお料理ですよね。
全国では「筑前煮」と言ってるけれど、ばぁばが住んでいる福岡県では「がめ煮」と言う人が多い印象です。
がめ煮は元々は、福岡の朝倉郡の方の郷土料理だったのですが、それがいつの間にか、全国で「筑前煮」と言われるようになったそうなんですね。
福岡で作られている「がめ煮」という料理の名前は、元々は博多弁から来ているんです。
博多弁では「たくさん、多い」という言葉を「がめこむ」と表現するのですが、これが所以で『野菜をたくさん寄せ集めて煮込む料理』を、がめ煮と呼ぶようになったんですね。
方言が料理の名前になってるなんて楽しいですね♪
でも、料理の名前が違うだけでなく、作り方や材料も少しだけ違うんです。
がめ煮と筑前煮の違い 作り方や材料はどう違う?
がめ煮と筑前煮の違い1:油で炒めるかどうか
がめ煮と筑前煮の違いは「油で炒めるかどうか」。
一般的に「がめ煮は油で炒めない」「筑前煮は油で炒める」と言われているんですね。
昔はがめ煮を作るときに、鶏を無駄にしないように、丸ごと残さず使っていました。
私のおばあさんも「油は使わんでよか」なんて言っていましたが、わざわざ油を使わなくても、鶏肉から出る油で十分だったので「がめ煮は油で炒めない」って言われてるんですね。
でも、正直なところ、今は炒める、炒めないは家庭によって様々だと思います。
私も、祖母は「炒めない」でしたが、母から教わったがめ煮は「炒める」だったんです。
亡くなった母から「炒めてから作るとコク出るけんね♪」と教わったのですが、処理されたお肉を使う現在では、やはり油を使って炒める事で美味しくなると思います。
がめ煮と筑前煮の違い2:「骨付き肉かどうか」
また、具材で使う「鶏肉」にも、少し違いがあり…
- 筑前煮:骨なしの鶏肉
- がめ煮:骨付きの鶏肉
骨付きのお肉を使うのが「がめ煮」で、骨なしが「筑前煮」と言われています。
私の地元では「水炊き用の鶏肉」を使っていたんです。
ただ、水炊き用の骨付きの鶏肉って九州以外ではあまり見かけないようですね。
その為、骨付き肉を使わないがめにも最近は多いみたいで、このあたりの違いも、正直グレーになっているようですね。
がめ煮と筑前煮の違い3:具材の大きさ
それから、具材の大きさも違うと感じています。
筑前煮は一口サイズの小さ目にカットして作るのに対して、がめ煮はそれよりも大き目にカットした具材で作ります。
お嫁に行って、初めて筑前煮を作った時に、お義母さんに「具の大きかね!」とびっくりされたことを覚えています(笑)
がめ煮は良い意味で「大雑把なお料理」のような感じなんですね。
がめ煮の材料と作り方【我が家流】
がめ煮の材料(6~8人分)
- 鶏肉(水炊き用の骨付き)・・・500グラム
- 大根・・・1/2本
- 人参・・・2本
- 干し椎茸・・・大3枚
- 土付きごぼう・・・2本
- 泥付きレンコン・・・1本
- 里芋(大)・・・5〜6個
- 板こんにゃく・・・1枚
- だし汁・・・1200ml
- 砂糖・・・大さじ4
- 料理酒・・・100cc
- 醤油・・・100cc
- みりん・・・150cc
※鶏肉は、骨付きがなければもも肉でもOK!
がめ煮の作り方
① こんにゃくを茹でてアクを抜く
② 里芋、レンコン、ごぼうはしっかりと泥を落とし、大きめにカット。
その後アクを抜くために先に下茹でしてザルにあげておく。
③ 大根、ニンジン、しいたけは大き目にカット。とり肉も同様に大き目に切る。
④ 材料をすべて切り終わったら、油を引いたフライパンで鶏肉をキツネ色になるまで炒め、火の通りにくい野菜の順に炒める
⑤ ひたひたになるくらいに出汁を投入。
⑥ 調味料を入れ、沸騰させながらアクを取り除き、落とし蓋をして具材が柔らかくなるまで煮たら完成!
がめ煮はとってもシンプル♪
全ての具材を、油でよく炒めた後にだし汁を加え、しょうゆ・みりん・砂糖・料理酒・お塩などで味見をしながら煮込んでいくだけなんです。
正直、我が家のがめ煮は「炒める」ので、筑前煮とあまり変わらないと言えば変わらないかもしれませんね(笑)
材料のお野菜にすべて「生野菜」を使う時は、灰汁抜きがちょっぴり手間がかかります。
一つずつの材料を下茹でする事で、灰汁が抜けて美味しい味に仕上がるので、やはり下準備は大切なんですね。
コチラでは、鶏むね肉、鶏もも肉を使った「筑前煮」の作り方を写真入りでご紹介しています。
郷土料理って、その土地の風習などが組み込まれているのですが、時代の変化とともにお料理も変化していってるんですね。
「我が家の伝統料理」として、ご家庭ごとの自慢のお料理に進化すれば、素敵な「お袋の味」になると思います♪