人の名前や物を片づけた場所が忘れっぽくなりだしたりの困った経験はありませんか?
実は私は2年ほど前から…
人の名前が出てこない
確かに、ここに置いていたんだけれど見当たらない
…などの、物忘れがひどかったんです。
人と会話をしている時も「あれ?なんだっけ?…」と、単語が思い出せないことも頻繁になってきたので認知症の初期症状かも入れなと思って、心療内科に行ってきました。
目次
認知症かもしれないと病院へ相談へ行ってみました…
診察室に入ると先生が…
「どうされたんですか?
なんだか筋肉が緊張していますよ。何か心配なことがありますか?…」
と、私の顔を見るなり言われたんです。
「先生、どうしてわかるんですか?」と尋ねると笑いながら私の話を聞いて下さいました。
物忘れは認知症と勝手に思ってはいけない
私は正直に、最近物忘れがひどくなってきた事、言葉が出てこなくなってきた事などの不安な現状を話してみました。
先生は、「物忘れがひどいんですね?…いつ頃からそう思ったの?」と質問されました。
「半年近く身体の調子が悪くて、食事も食べたくないし、よく家事をしていても失敗が多くなったんです。
年のせいかな?…と勝手に思っていたんですが睡眠も浅くて、いつも、何かに追われているような強迫観念があり、楽しくないんです…」
「そうですか。楽しくないんですか…それだと心がパンパンですね…
実はこれが、精神的な万病の素なんですが…
ところで、○○さん、このお部屋で香りは感じますか?…」
と尋ねられました。
お部屋には私の好きな百合の花の香りがしていたので…
「ハイ、百合の花の甘い香りがしています…♪」
と返事をしたら、先生は、にこっとした笑顔で安心したように「そうですか。」と仰いました。
「まあ、○○さんはほかの病気だと思いますが…
心配してあるので簡単なテストをしますね…」
と、ちょっとしたテストをすることになったんです。
私は、「あっ!これは母が認知症の疑いがあったときに受けたテストと同じだ…」と思い出していました。
まさか、私が受けるとは思ってもいませんでしたが、緊張しつつも「長谷川式認知症スケール」というテストを受けたんです。
長谷川式認知症スケールとは?
「長谷川式認知症スケール」とは、
長谷川式認知症スケールは、精神科医の長谷川和夫先生によって開発されました。限られた時間と限られたスペースで、医師が効率的かつ公平に認知機能の低下を診断するために1974年に開発され、1991年に一部改定を経て今に至るまで利用されています。かつては「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」と呼ばれていましたが、2004年に「痴呆症」から「認知症」に名称変更されたことに伴い、現在では「長谷川式認知症スケール」と呼ばれています。
(認知症ネットより引用)
このチェックシートは、医療機関で認知症の診断に広く利用されているんだそうです。
「○○さんに安心をしていただくためのテストです。緊張しないでリラックスしてとりあえずやってみましょう。」
その先生の言葉とともに始まったのがこんなテストでした。
ちなみに、実際に質問された内容と私の答えはこんな感じです。
① 年齢は何歳ですか?…
「63歳です」
② 今日は何年の何月何日ですか?…
「2017年、5月7日です。」
③ いま、貴女のいるところはどこですか?…
「○○クリニックです。」
④ これから3つの言葉を言いますから繰り返してくださいね。
『桜・ねこ・電車』と先生は言われたのですが、私の答えは、「ねこ・さくら・電車」でした。
そして、「あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。」とも言われたんです。
⑤ 100から7を順番に引いていってください。
「93です…」この数字は直ぐに出ましたが、しばらくして「86ですか?」と、自信がないまま答えました。
⑥ これから言う数字を逆から言ってください。 6―8―2ですよ…
「2―8…しばらくして6ですか?」と、この問いにも自信がなかったんです。
⑦先ほど覚えてもらった言葉がありましたよね…3つの言葉もう一度言ってみてください。
「えっ、桜・ねこ・電車ですかねぇ…」
今度は正解でした。
⑧ これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言って下さい。
はさみ・時計・くし・鉛筆・輪ゴムですよねぇ。では言ってください。
「ハサミと、時計に、くしと、えんぴつ・…あとは思い出せません」
⑨ 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
「大根・人参・白菜・キャベツ・玉ねぎ・ほうれん草・レタス・もやし・きゅうり・ジャガイモ・サツマイモ…」
※本チェックテストは医師の監修を受けています。
※本チェックテストは、認知症の診断をするものではありません。
※本チェックテストの結果は、対象者の健康状態を保証するものではありません。
(認知症ねっとより引用)
こんな感じで、先生の問いかけに応えるようなテストをしたんです。
テストが終わった後、緊張していた私ですが…
先生から言われたのは予想外の答えでした!
「どうでしたか?緊張されましたか?…数字が苦手のようですが…
でも、問題はありませんよ!!…
極度の緊張が続いた生活を送ってあるようですね…。
認知症というよりも、鬱の状態ですね…
うつ病と認知症はね、最も間違いられやすいんですね。
鬱の状態のときはアンマリ考えたくないんですよね…
いや、考えられないんですよね…辛いですよね…」
そうなんです。
認知症ではないかと疑っていたのですが、うつ病ではないかと言われたんです。
うつ病と認知症との違いは?
「うつ病は、気力が低下するという特徴があります。
不安や焦りが目立ってくるんです。
一方認知症は、記憶力の低下なんです。
〇〇さんは記憶力が低下しているというよりも、不安や焦りから物事に集中ができていない現状なんだと思います。
そうですね…。
心配はするな…と、言っても無理でしょうから思いっきり身体を動かし、○○さんが好きなことを少しでも取り組んでみませんか?…
お花を植えたり、温泉旅行をしたりしながら、環境を変えていきましょうね…♪」
辛い時は思いっきり声を出して泣くことも大切なことなんです。
頑張ることをしばらくやめましょうね…
人間て不思議なもので、悲しみの底に思いっきり頭をぶつけたら何かが割れてくるんですよ…
○○さんの症状は長く見させて貰っていますが、自身を無くされていますが僕は大丈夫だと信じています。」
先生の丁寧な優しい言葉に頷きながら少しだけ心が温かくなっていました。
とりあえずは、認知症の初期症状ではなかったので安心しました。
物忘れと認知症の違いは?老化による記憶障害とどう違う?
では、老化と共にともなう物忘れと認知症の症状としての物忘れは何が違うのでしょう?
先生のお話では…
「大きな違いは、普段の物忘れは、体験した事の一部だけを思い出せないんですが、
認知症による物忘れは、体験した事自体…そのもののほとんどを忘れてしまんですね…
そうですね…、誰にでも昨日の夕飯に何を食べたかを思い出せない…などはあるんです。
でも、これは心配するような物忘れではないんですね。
認知症の方は、夕飯を食べたという事…全体の記憶がすとんと抜け落ちてしまんですよね。
さっき食事をしたことを忘れることもあって、何度も食事をしようする方が多いんです。
また、老化による物忘れは記憶障害だけですが、認知症による物忘れの場合は、
記憶障害に加え判断力や実行機能についての障害が現れますね。
実行機能とは、段取りをしながら作業をしたり、計画を立てながら物事を実行するといった機能のことなんですね。
こうした能力が損なわれると、普段できていた料理ができなくなったり、使い慣れたガスコンロなどの使い方がわからなくなったりしてくるんですね…。
そして、最近、認知症の初期には意外な症状が見られることがわかりました。
それは、嗅覚の変化なんですね!!…
何かを記憶したり、感情をコントロールすることに、直接関係するのが嗅覚なんですね。
嗅覚は、五感の中でも非常に大切な感覚なんですね。
嗅覚の衰えが必ずしも認知症につながるとは一概にはいえませんが、
においを感じる機能は、ハツラツと暮らしていくためには大切なものですね。
だから、先ほどお部屋のなかでなんらしかの香りを感じることができるのかをテストしたんですよ…」
と、笑顔で詳しい説明をしてくださいました。(*^^*)
先生の説明は、実母が認知症になっておりましたので、
まるで、実母の現状を話されているような感覚でしたので理解はできました。
でも、嗅覚も認知症の初期症状の現れだと聞いて驚きました。
よく考えたら、先生は、「貴女が大好きなお花を植えたりしてみませんか?…」と、
私に勧めて下さってました。
なるほど!と、感心するばかりで先生の優しさに感謝しかありませんでした。
認知症の予防対策ってあるの?
ただ、認知症に関してもやはり心配な面もあります。
今後、どういったことに気を付ければよいのか、認知症を予防する方法などがあるのかどうかを聞いてみました。
「認知症の場合、脳は血流の悪い状態にあると言われています。
認知症予防・改善の効果に対して、適切な運動が必要なんです。
有酸素運動を1日30分くらいを取り入れ、1週間に3回くらいの回数で続けて行くことで、たちまち脳の血流量が増えて来たケースさえあるんですよ…♪
動くことで、酸素や栄養が行き届き、脳の働きが活性化するからなんです。
他にも、食習慣を見直しなどもありますが、
いろいろな人とコミュニケーションをとりながら笑って貰うことも大切なことなんですね…」
そして、「でも一番大切なことは…」と、真剣な表情で話されたことが心に響きました。
「認知症の原因は色んなことがあるんですが、僕は、思うんです…
やはり、心の中に空洞があるんですね。
認知症を患ってある方は、愛情を求めてあると感じました。
だから、力いっぱいに抱きしめてあげて下さい。
愛しているよ…と、何度も言ってあげて下さい。…」
と、先生は祈るように話されました。
私は、「そうなんだ!…愛情なんだ!」と、つくづく実感をしました。
私の心の中の病がわかったような気がしたんです。
認知症の実母への対応を十分に介護ができずにいたことに後悔の自責にかられていたんです。
先生は、うなずきながら「自分を愛してくださいね…♪」とも言われました。
2時間くらいの先生との会話で、笑顔がでてきました。
物忘れがひどいので認知症かもと病院へ相談へ行ってみた【60代】のまとめ
病院へ行く前は本当に緊張して不安でいっぱいでしたが、思い切って先生に相談してみて本当に良かったと思います。
思い込みはやはりいけませんね…。
不安に感じていることは、内にため込まずに積極的に解決していくことも大切なんですね。
何かしら、この頃おかしいな?…と感じてあります方は、誰かに心の窓を開いて貰ってみてはいかがでしょうか?
残りの人生を生涯現役で送りたいものですね…♪