風鈴の音が涼やかになる中で頂くおそうめんって美味しいですね。
おそうめんは低カロリーでヘルシーな食べ物です。
食欲がない時でも、冷たく冷やしたお素麺は毎日食べても飽きません。
夏のお中元やギフトにも人気のそうめんにはいろいろな種類がありますが、特に人気なのが「日本三大そうめん」です。
今回はその「日本三大そうめん」の中でも最も歴史の古い「三輪素麺」についてご紹介いたします。
目次
日本三大そうめん「三輪」は素麺発祥の地
産地により異なる三大そうめんの美味しさの違い
日本三大そうめんは・・・
・歴史の古い奈良県の『三輪素麺』
・讃岐うどんの先祖でもある香川県の『小豆島そうめん』
・そうめんの代名詞とも言われている兵庫県の『揖保乃糸』
こちらの3つになっています。
産地によってそれぞれ特徴があり、三大そうめんの座を不動にしています。
そしてこの中で素麺発祥の地とも言われ、一番歴史が古いのが『三輪素麺』なんです。
三輪素麺とはどんなそうめん?
実は三大そうめんの中でも「そうめんの発祥」と言われているのが、「三輪素麺」なんです。
三輪そうめんは奈良県桜井市を中心とした三輪地方で生産されている特産品なのですが…
なんと、三輪で素麺づくりがはじまったのは1200年前と言われております。
奈良県桜井市の三輪にある神社「大神神社」で、飢餓と疫病に苦しむ民の救済を祈願したところ、神の啓示を賜わったそうです。
その啓示のままに三輪の里に小麦をまき、その麦を石うすで粉に挽き、湧き水でこね伸ばして糸状にしたものがそうめんの起源と言われています。
そして、この三輪地方から揖保乃糸で有名な播州(兵庫)、小豆島そうめんの小豆島、島原そうめんで有名な長崎…と日本全国に製法が広がっていき、現在まで連綿と紡がれてきたんですね。
三輪素麺には2つの種類があった
このような三輪素麺ですが、現在では「三輪そうめん」として世に知られている者には2種類のものがあります。
一つ目は、生産者の団体「奈良県三輪素麺工業協同組合」が取り仕切る『三輪素麺』。
二つ目は、「奈良県三輪素麺工業協同組合」に加入していないお店が作る『三輪そうめん』があるんです。
実は「三輪素麺」は「奈良県三輪素麺工業協同組合」の商標登録。
そして組合員が作ったそうめんだけが「三輪素麺」として販売されます。
ですが、ただ「組合員が作ったそうめん」が三輪素麺として販売されるわけではなく、そこには厳しい基準があるんです。
三輪素麺は「美しさ」と「美味しさ」に徹底的にこだわったそうめんでもあります。
そこで、その品質を維持するために、素麺の良し悪しを決める重要な品評会が開催されています。
品評会ではこの「美しさ」をテーマに2日間にわたる審査が行われ、麺線・色・色澤・結束・裁断の5項目が審査対象とされています。
・麺線…基準の細さとなっている
・色…色ムラがない
・色澤…麺のツヤ
・結束…同じ高さで結束されている
・裁断…19cmに裁断されている
5項目を厳しく審査されています。
古くから伝承されたきた製造方法をまもるために、組合独自の厳密な品質基準が定めてあります。
これに則って組合員が製造した素麺のみに品質保証の証として「鳥居帯」マークを貼付しています
(三輪素麺工業協同組合より引用」
このように厳しい審査に則って審査され、その基準をクリアした「組合員が作るそうめん」だけが「三輪素麺」として認められ、その証として「鳥居帯マーク」付きの「三輪素麺」として販売されています。
「三輪」と名のつく素麺の中にも、鳥居帯マークの付いていない素麺もあるんですね。
ただ、鳥居帯マークのついていない素麺にも、オリジナルの工夫をされてあるとても美味しいそうめんも沢山あります。
ですが今回は「鳥居帯付き」の「三輪素麺」についてご紹介しています。
こうして販売される三輪素麺にはいくつか等級があるのですが…
そのトップに君臨するのが「三輪の神杉」という素麺です。
三輪素麺のランクって?等級による細さの違いは?
献上素麺 手延べ三輪素麺
極細最高級麺 木箱入 30束1.5g神杉
三輪を代表する超極細素麺として最高等級品「三輪の神杉」の商品があります。
この商品は、組合の中でも限定された生産者しか作れず、生産時期も限定されてあります。
その名誉ある商品が最高等級品「三輪の神杉」です。
特徴として、世界でも珍しい糸のように細い素麺として知られる三輪素麺。
なんとこの「三輪の神杉」は一束当たりの本数が600~650本という細さなんです。
熟練の麺師の手に丹精込められた一条の麺をひとすすりすれば、絹糸のような滑らかな舌触りと、強いコシを楽しめます。
極細ながらもしっかりとしたコシを感じることができる極上の一品。
三輪の神杉は、極細素麺として三輪を代表する最高等級品です。
普段味わうことのできないちょっと贅沢な手延べ三輪素麺は、夏のギフトととして華があります。
この最高級品に続くのが、高級三輪素麺「三輪の緒環(おだまき)」です。
高級三輪素麺 緒環(おだまき)
こちらは極細専用の小麦粉を使用し、さらに生産時期も限定された一品。
三輪そうめんの中でも特にこだわった逸品です。
細いながらも弾力があり、通常のそうめんよりも麺が細いおそうめんで、1束あたり475~525本となっています。
味、食感ともに最高で、さわやかなのどごしを楽しめます。
続いては「三輪の瑞垣(みずがき)」になります。
三輪の瑞垣(みずがき)
こちらはレギュラー品の「誉」よりも麺は細めに仕上げてあります。
蔵でじっくりと熟成させ「古物(ひねもの)」と呼ばれる商品です。
寝かせることで、さらに一層、コシが強くなっています。
生産からじっくりと寝かせたプレミアムな一品です。
手延べ三輪素麺 三輪の誉
手延べ製法の基本を守りながら、厳選された小麦粉と塩を使用したそうめんです。
「三輪の誉(ほまれ)」は全生産量の約90%を占めるレギュラー使用。
小麦の風味を生かしたそうめんは、小麦本来の深い味わいです。
長い間、幅広い年代から好評で今でも愛され続けているレギュラー品です。
このような等級に分かれている三輪素麺ですが、どれも歴史と伝統を感じさせ、とても美味しそうな素麺ですね♪
三輪素麺とは?ランクや鳥居帯から見る歴史と人気の秘密!のさいごに
素麺作りがおこなわれるのは寒時期の早朝から始まるそうです。
日々変わる気象条件に合わせながら、小麦粉と塩水を微妙に調整されて作ってある三輪そうめん。
張り詰めたしんとした空気と、今にも凍えそうな寒さの中で粛々と作業が行われるそうです。
私たちがいただく三輪そうめんはたった1分の茹で時間ですが…
その製造工程は、12ものの工程を費やし、36時間という長い時間がかかるそうなんです。
また、熟練の職人さんの技術がなければ製品に色ムラができたりもします。
手延べ素麺は人の手によって、12の工程が必要なため毎日、毎日と同じ仕上がりにすることは大変難しいと思います。
まっすぐとした『美しい素麺』は、熟練された職人技が非常に大切なんですね。
自然・素材・熟練職人技・伝統が織りなすそうめんの素晴らしさ、美味しさ。
三輪そうめんは、これらが凝縮されている芸術品だと思います。
日本の伝統食文化である三輪そうめん。
その歴史と職人さんたちの伝統技術に思いをはせながら頂くと、おそうめんの美味しさが改めて感じられると思います。
また、クオリティーの高いギフトとしても信頼があると思います。